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散々叩かれていますが…

最近はアメリカの中間選挙の関係で霞んだ感もありますが、KYBの免震ダンパーの改ざん問題は世間でも大きく取り上げられました。
また、少し前に東洋ゴムと比較するような記事もありました。
改ざん自体は企業の姿勢としてはアウトですが、果たして騒動の中身の緊急度は一体どういうレベルの物なのでしょうか?

そして、KYBはこの難局を乗り越えて再生できるのでしょうか?

今回はこの事について考えます。

KYBの状況を整理する

11月6日に第二四半期の決算発表がありましたので、こちらから数字を取りながらまとめます。

損益計算書

2019年3月期
2018年3月期
売上高
(百万円)
202,789
189,448
営業利益
(百万円)
-11,300
10,698
営業利益率(%)
-5.6
5.6
税前利益
(百万円)
-12,369
11,048
四半期利益
(百万円)
-11,789
7,548
四半期利益率(%)
-5.8
4.0
不正があったのである程度は想像してはいましたが、前年比で売り上げは増えていますが、そこから先の利益がかなり落ちてます。
今回の不正対策の一環で、144億円の引当金を計上した事、米国での自動車用ショックアブソーバーの販売に対する独占禁止法関連の訴訟で賠償費用に44億円を計上した事が大きく響いています。

注目すべきは、この手の不正が明るみになる前の前年でも営業利益率はそこまで高くない事です。
決算資料の20ページ目を見てみると、今回問題になっている免震ダンパーなどを扱うシステム事業の売上高は全体のたった6%と記されています。
売上は118億円の事業に対し、144億円の引当金を計上する羽目になる。
なんでそんな事したんだ…という気にさせられますね。

バランスシート

2019年3月期
流動資産
(百万円)
206,569
固定資産
(百万円)
204,976
資産合計
(百万円)
411,545
流動負債
(百万円)
173,969
固定負債
(百万円)
64,201
負債合計
(百万円)
238,170
資本合計
(百万円)
173,375
自己資本比率(%)
42
不正の事はありましたが、財務は健全そうに見えます。
流動負債比率も1を超えていますし、自己資本比率もまあまあ問題ない水準ではないかと思います。

現金や売掛金などの債権が145億円程度あるので、今回の不正の引当金はとりあえずこの辺を参考にしたのでしょうか。

(私の推測ですが…)

キャッシュフロー計算書

今回の不正に関連してでしょうか。

合弁契約解消で12億円の減少、債権の減少が40億円程度営業キャッシュフローに計上されていました。
また、投資キャッシュフローは何故か126億円も行なっています。そのうち100億程度が固定資産の取得。
テレビのニュースで、不正部品の交換は生産ラインを増設して行う、みたいな内容がありましたが、その関係でしょうか…

問題の大きさを考える

ニュースでは赤字がいくらなどという見出しや、経営陣の発言がメインで伝えられていました。
そもそも、この問題はどこまで深刻な物なのでしょうか。
一時は、日本の建物が全部倒れんばかりの勢いで報道されていましたが、実際のところどうなんでしょうか。
一部報道でもありましたが、免震ダンパーが無いからといって建物が今日明日倒れるという事はあり得ません。
戸建てや賃貸のアパートに住んでいる方で、そんなものついてないという所も多いと思います。
ダンパーひついているだけでもそれなりには効果を発揮しますので、ついているだけ他よりマシ、という声も聞きます。
では、何が問題なのでしょうか。
問題になっているのは、消費者が、その性能を見込んで買ったのに、それが嘘でした、という所にあると考えます。
平たく言えば、契約違反ですよね。
また、こういう時KYB のダンパー付きのマンションの価格が下落する事も考えられます。
そうなった時の訴訟も出てくるでしょうね。
こういう所から、信用は木っ端微塵に吹っ飛んでいったと思われます。
少なくともシステム事業においては、信用は地に落ちたと判断せざるを得ません。

今後立ち直れるか

個人的には、鉄道部品などを扱うHC事業がカギだと思います。
システム事業には期待できないし、AC事業は独占禁止法関連の訴訟がまだまだ燻っているためです。
訴訟が無ければACも利益頭になるのですが、今やHC事業以外は真っ赤っか、という惨状です。
HCはこの2年間で安定的に55億円程度の営業利益を稼いでいるので、ここがどこまで売上を守れるか、広げられるかが、今後の補償費用捻出の為には必要になるでしょう。

まとめ

不正ダンパーの本数は一万本とも言われており、今日明日解決するようなものではありません。
そして、今のKYB を見る限り、元々必ずしも安定配当をもたらしてくれるような銘柄でも無さそうです。
補償に関する報道や種々考え方はあるとは思いますが、業態、経営のあり方的に考えて、私がこの銘柄を買う事はないでしょう。
この記事が何かのお役に立てば幸いです。




Source: 積立投資健忘録

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