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何故そうなったのか

11月1日にKDDIと楽天の業務提携が発表されました。
また、前日にライバルのNTTドコモが大幅な値下げを表明しています。
KDDI株は454円、約マイナス16%面白いくらい暴落しています。
逆に楽天は約3%の微妙な値上がりをしています。
これは果たしてKDDIにとって終わりの始まりなのでしょうか。
今回はこの事について考えます。

KDDIの現状を整理する

損益計算書

KDDIは言わずと知れた通信大手3社の一角で、最近では、菅官房長官の、携帯料金4割値下げ発言の煽りを受けた事は記憶に新しいです。
現状のKDDIの業績を見てみましょう。
数字はKDDIの決算短信から取ってます。

2019年3月期第二四半期短信

2019年3月期
2018年3月期
売上高
(百万円)
2,462,289
2,416,070
営業利益
(百万円)
561,192
542,536
営業利益率(%)
22.8
22.5
税前利益
(百万円)
560,367
540,555
四半期利益
(百万円)
386,567
373,641
四半期利益率(%)
15.7
15.5
四半期での売上高は約2.5兆円。
値が大きすぎて何だかピンと来ない人もいるでしょう。
それ以上に、最終的な利益が4000億円近いのも凄まじいですし、利益率15%なんて、中々お目にかかれない数字ですね。
以下のサイトによると、通信業界の純利益率は2.9%です。
もちろん、これは四半期の数字ですし、ライバルのドコモやソフトバンクはEDIUNETさんの通信大手の純利益率ランキング(通年で)乗ってくるのに対し、ここはそうではないわけですが、短信の数字を見て、この会社はヤバい、という人は恐らくいないのではないかと思います。

バランスシート

2019年3月期
流動資産(百万円)
2,215,544
固定資産(百万円)
4,776,790
資産合計(百万円)
6,992,334
流動負債(百万円)
1,328,209
固定負債(百万円)
1,118,361
負債合計(百万円)
2,446,570
資本合計(百万円)
4,545,764
自己資本比率(%)
65
通信大手らしく、固定資産が4兆円分もあります。
通信網は気が遠くなるくらいの膨大な設備を維持して初めて維持されるものなので、要するにこれが維持できないのであれば通信大手足り得ないし、そもそも勝負にもならんという事になるのでしょう。
自己資本比率は65%とこれまた高い値です。

グラフにしてみると、固定資産がいかに多くを占めているかがよくわかります。

自己資本比率が高い事が、積極的な経営をしていないと揶揄される事がありますが、ここに関して言えば流動資産がそこまで比率として高くはないし、通信網の維持にはそれなりの現金が必要になるので、それは必ずしも当てはまらないと考えます。

キャッシュフロー

フリーキャッシュフローは、今年の第二四半期でおよそ半減している計算になります。
KDDIの短信では、投資CFの部分にて、有形無形の資産を取得したから、とありました。
通信網の維持は間違いなくここから出している事になります。
あと、10月にキッザニアを買収したというニュースが流れていましたが、もしかしたらそれも含まれるかな?
あとは、au経済圏が広がっている、という事が決算説明会の資料にも出てましたが、それも関係しているかもしれませんね。
こちらの資料には、客単価を引き下げた旨の説明も書いてあり、菅官房長官の発言がジワリと効いているのが伝わってくる内容になってます。

考察:どうしてこうなった?

この状況を踏まえて、私が感じたのは以下の2つです。

客単価が下がり続けるか?

恐らく投資家はここを恐れたのではないかと考えます。
3割還元したと資料にはありましたが、今後楽天が参入してくればこの流れは更に加速するでしょう。
上のWBSのページにもありましたが、2020年には携帯のID数も頭打ち、という事も意識されたのでしょう。

楽天と組んで大丈夫か?

これも投資家は考えたのではないかと思います。
楽天にしてみれば、たかだか6000億程度の投資で自社設備を整えるのと並行してKDDIの設備に乗っかる事が出来たわけです。
四半期だけで4000億円も投資CFとして計上できるような巨大な会社の設備に、言い方は悪いですがほぼフリーライドできた、という事でしょう。
KDDI側が受けられる、楽天の決済網がどこまでKDDI側のメリットとなり得るのか、すぐには計りかねた人もいた事でしょう。

売りが売りを加速した

今は自動売買もかなり行われているので、損切りラインを低めに設定されていた場合は、売りが売りを呼ぶ事になります。
これは、良くも悪くも人の感情が起因して、感情ではどうにもならない事象が起きた、というべきでしょう。

それでも私は保有を続けます

恐らくしばらくの間、株価は乱高下すると思われますが、私は保有は続けるつもりです。
理由は単純で、解約率はむしろ下がる方向に行っている事と、何よりも人間そこまで律儀に面倒な契約プランを見直すなんて出来ない、というのが私の考えです。
大手キャリアの料金プランを一読して理解できる人がどれだけいるか。
少なくとも私は無理だったので、格安SIMに乗り換えるのに一年もかかってしまいました。
(UQモバイルにしたので、株主としてはまあかろうじて許されるかな…と)
見方によっては不誠実なプランとも言えますが、実際消費者がそれを求めているのは、解約率の低減から推察はできます。
楽天とシナジーがどこまであるかは不明ですが、楽天スーパーポイントが例えばau経済圏でもガンガン使えるようになったら…と考えると、個人的には面白い事になるかも、とも考えています。
決算説明会資料にはau経済圏が広がっている、という説明もあったので、いずれはそこが新しい収益源になるだろう、楽天よりもむしろ楽天経済圏と何ができるのかな、というのにも興味がありますね。

まとめ

少なくとも解約率の推移と、現状の強固な財務体制、資料にあったau経済圏の拡大など、少なくとも今日明日何かが起こることは無いと考えられます。
楽天との連携についても、インパクトが小さくても、面白い事にはなりそうなので、個人的にはKDDI側に何か大きく影響はしないと考えます。
KDDIのBPSは約1600円。
ここに近づいてきたら、私は追加投資を検討するつもりです。
この記事が何かのお役に立てれば幸いです。

Source: 積立投資健忘録

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