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もちろん、米国の為替政策の大きな転換などというものは、そう頻繁に起こるものではありません。したがって、為替政策が材料にならない場合は、次に何を材料にFX投資を行うべきかという話になります。そこで浮上してくるのが、「米国の景気動向」です。株価や景気一般の方向性を見て、上向きであれば積極的にドルを購入せよ、ということになります。ただし、株価もある程度のところまで上昇すればそこでもみ合い状態となり、景気指標もプラスとマイナスがいりまじるようになってきます。そうなると、予測は難しくなります

 

こうして米国の景気状況が材料にならなくなると、次は他国に目が行くようになります。米国以外の国、具体的には「日本と欧州の為替政策」ということになりますが、この両者の為替政策には大きな違いがあります。

 

日本は、輸出主導国であり、自国産業を守るため円高が進むことを、極端に嫌がります欧州もドイツやフランスのような輸出国を抱えているのですが、どちらかというと、ユーロ安を好みません。日本とは正反対なのです。これは、かつてドイツがハイパーインフレに悩まされた経験があるため、インフレ抑制効果のあるユーロ高を好むということが考えられます。実際ECB(欧州中央銀行)の政策を見ていても、重要なのはインフレを止めることだという使命感が、ひしひしと感じられます。これが、日本と欧州の為替政策に関する基本スタンスです。米国以外の国々の為替政策をチェックし、いまの為替(FX)相場がそれぞれの国にとってどう受け止められるのかを見ていくことが、FXを手がける上で重要なのです。

 

さて、米国以外の国々の為替政策にも大した材料がないとなると、今度は「特殊要因」に注目が集まります。例としては、原油高やテロなどが挙げられます。日ごろはそれほど注目されない材料ですが、世界経済や米国経済に大きな影響をおよぼすとなると、プライオリティが一気に上がってきます。たとえば、2004〜05年には原油高が、2008~9年と2014~15年には原油安が、為替(FX)相場に大きな影響を与えました。こうした有事には、投資家がリスクを取らなくなる(リスクオフ)ということも、為替(FX)相場に影響を与える原因です。リスクオフに投資家心理が傾くと、低金利だが安全とされる円やスイスフランが買われるわけです。2017年の北朝鮮の数回にわたるミサイル発射実験により、地政学リスクに最も影響を受けやすい日本の通貨である円が売られることはなく、反対に円高が進んだのは、記憶に新しいところです。

 

こうした特殊要因もそろそろ材料として使い古したということになると、いちばん最後に登場するのが、「金利差」です。ロジックは、資金はやはり金利の高いところに流れていくというものです。優先順位が低いことには、理由があります。このロジックには、大した根拠がないからです。たしかに預金ベースで考えれば少しでも金利の高い商品に預けた方が有利ですが、為替(FX)相場に影響をおよぼす投機資金は、預金で運用されているわけではありません、株式や債券が大半です。ところが、株式にとって金利上昇は、基本的にネガティブ要因です。景気抑制につながるため、株価の下落要因となるからです。

 

債券の場合は、やや話が複雑です、金利上昇がネガティブなこともあれば、ポジティブなこともあります。たとえば、これからインフレ懸念が浮上するという局面での金利上昇は、債券相場にとってネガティブ要因となります。長期金利が上昇を続けるため、債券価格は下落の一途をたどるからです。こうした局面では、金利上昇を材料にその通貨を買うことはおかしな話です。ただし、長期金利がある程度の水準まで上昇していて、それでもインフレが進むために短期金利を引き上げて行くという局面では、インフレ抑制期待から長期金利の上昇に歯止めがかかり、債券投資を行うには絶好のタイミングとなります。

 

結論としては、日米金利差が拡大するので単純に金利水準が相対的に高いドルが買いだというロジックには、決定的な欠陥があります。誰が聞いてもわかりやすいということから、ドル買いの材料にされることがよくある、というだけの話なのです。くれぐれも、ご用心ください。

 

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Source: FX常勝方程式国会議員今井雅人〜FX 初心者の口座比較や入門書に〜

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